「計画的」とはどういうことか?
令和4年度吉川市一般会計予算案への反対討論の続きです。
今回、私が一番納得できないと思ったことの一つが「道路の計画的補修」の問題です。
2年半ほど前のことだったと思いますが家の前の道路に側溝がないので、作ってほしいとのご要望をいただいたことがあります。確かにその道路には側溝がなく、しかも下り坂になっていて、大雨が降ったときちょうどその家の駐車場に水が流れ込んでしまうような構造になっていました。
以前はとても狭い道路だったそうですが、その方の土地の一部を市に採納して道路の拡幅がされたそうでした。
その時に側溝を作れば何でもなかったのでしょうが、作らなかったがために今、問題が生じています。
私も一緒に窓口に相談に行きましたが、市は「緊急性・危険度・優先順位」を考慮して工事の順番を決めるということでした。
市には毎年毎年700件もの道路補修の要望が出されるそうで、その中から「緊急性・危険性・優先順位」を考慮するのなら、家の前のそれほど人も通らない道路の改修など一体いつしてもらえるかわからない・・・。
多分、諦めて黙り込む方もたくさんいらっしゃるのではないかと思いました。
そんなことに何となくどんよりとしていた時、私の先輩の小林昭子前議員が「生活道路の補修計画を立てる」ことを要望していることを知りました。
小林さんの一般質問は、とても心に残るものでした。
「住民はもう10年も20年も、ずっと待ってきたんだ。これからも10年でも20年でも待つでしょう。ただ、いつ直してもらえるのか、どういう順番なのか、計画だけでも知りたいものだ」。
そんなような内容だったと思います。
議会で、この言葉をピシッと放った時の小林さん、すごくカッコいいと思ったものでした。
三輪野江地域に住み、調整地域の市道がなかなか改修されない状況に心を長年心を痛めていたからこその発言だと感じました。
同じことを自民党の松崎議員も要望されていて、おそらく松崎議員も調整地域にお住まいなので同じ思いがあるのだろうと思います。
小林さんが引退された後は私も要望してきました。
そして昨年開かれた、第6次総合振興計画を作るための審議会。
審議会の委員だった私は、「生活道路の計画的補修」の文言を追加することを要望しました。
審議会では同じく委員だった公明党の小野議員が、なぜこの文言を追加するのか、提案者の意見を聞きたいとわざわざ発言してくださり、私はそこで毎年700件もの補修要望が出されながら、補修されないまま積み残されていく道路がたくさんあるという発言をさせていただきました。
そして「生活道路の整備を計画的に推進します」との
文言が追加され、本当にうれしく思ったものでした。
こんな形での市民要求の実現ということもあるんだなぁと、とても感動したものでした。
ところが、その総合振興計画実施計画を受けて作ったはずの来年度予算。
私は来年度の補修計画について質問しました。
答弁は、道路補修について計画しているのは吉川美南駅西口交差点からから消防署南分署付近交差点Nなど6路線で、その他は定期的にパトロールしながら、緊急性や危険性・優先順位を判断しながら、緊急的な補修を行っていくというものでした。
「これまでと考え方が大きく変わるものではない」と・・・(@ ̄□ ̄@;)!!
長年積み残されてきた生活道路の改修計画を特段立てるわけではないという答弁です(@ ̄□ ̄@;)!!
とても納得のできる答弁ではありません。
計画的補修について、小林明子さんも松崎議員も私も要望してきて、それが何を求めていることなのか、市は十分にわかっているのではないでしょうか。
「計画的に推進します」といったら、本当にきちんと計画を立てて遂行していくことではないのでしょうか。
総合振興計画に位置付けておきながら「これまでと考え方は変わらない」と言ってしまったら、総合振興計画って一体何なのでしょうか。
というか、審議会の議論を蔑ろにすることになってしまうのではないでしょうか・・・💦
人通りの少ない道路、緊急性が高くないとしても補修そのものの必要性が否定されるわけではありません。
そこの誰かの暮らしがあり、その方が困っている現実があるのだと思います。
ちゃんと補修計画を立て、市民にも公表し、対応していくべきだと思います。
反対討論では、こうした趣旨を述べさせていただきました。