『夢見る校長先生』
立川市のキラリっ子ファミリーカフェさんと立川市子育て推進課さんが合同で開催した、映画『夢見る校長先生』上映会に参加させていただきました。
キラリっ子ファミリーカフェさんは、発達デコボコの子どもを育てる保護者さんたちで構成されているそうです。
『夢見る校長先生』はスタジオまほろばさんの制作で、監督は太田ヴィンさんです。
子どもの居場所をつくる会SKYせるが今年8月、『夢見る小学校』の上映会を開催しましたが、同じ視点で、今度は校長先生にフォーカスしたのが『夢見る校長先生』です。
長野県伊那市立伊奈小学校では「総合探求学習」として、ヤギを飼うことで国語も算数も学ぶという教育を60年も前から実践しています。教科書は使いません。チャイムもありません。時間割よりも子どもの集中力を大切にしています。1956年から、通知表を廃止しています。
3年生は毎日森に出かけ、森が教室です。ヤギのウンコを毎日数え、それで10進法を学びます。
普通の公立小学校ですが、子どもたちは「学校に来ると元気になる」と言います。
茅ヶ崎市立香川小学校では、2020年に通知表を廃止しました。通知表があると子ども同士の序列ができてしまい、子どもの人間関係に影響を及ぼすと考えたからです。
子どもをラベリングするのではなく、子どもファーストの評価を大切にしています。
その他にもテストをやめた新宿区立西新宿小学校、校則をなくした世田谷区立桜丘中学校、武蔵野市立境南小学校は宿題をなくしました。
私がこの映画の中で最も感動したのは、名前を忘れてしまったのですが日光市の中学校です。
この学校の校長先生はコロナ禍でも子どもたちにマスクの強要をせず、運動会も修学旅行も実施しました。0歳~18歳のコロナでの死者はほとんど0で、文科省のマニュアルでもマスク着用は義務付けられていませんでした。なのに、みーーーーんなが何かに忖度をしてマスクを着用していました。しかし校長先生は感染予防のためにマスクを着用することよりも、脳科学的に見たマスク着用の子どもへの悪影響を大切に考えました。
当時、子どもを介して高齢者に感染が広がっていると考えられていて、「自分は感染しているものと思って他人と関わるように」と言われていました。
それは子どもに「自分は穢れていると思え」と言っているようなもので、自己肯定感の否定だと先生は考えました。
たくさん勉強し、専門家とも意見交換をして、保護者には丁寧に通知を出して理解を得る努力をしながら、先生は子どもたちのあがり前の学校生活を大切にしました。
子どもの感染者はゼロでした。
教育とは何か、教育的であるとはどういうことか、改めて学んだ気がします。
公立の普通の小中学校で、校長先生がその気になればこれだけのことができる。
子どもが生き生き伸び伸びと過ごす学校ができる。不登校児童生徒数がまたまた過去最高を更新する中で、子どもが行きたいと思う学校をどうつくるのか。本当に興味深い映画でした。