世界を照らす自由
自由の女神の正式名称は「世界を照らす自由」だそうです。今まで、全然知りませんでした。
マンハッタン最南端のバッテリーパークという公園からスタチュー・クルーズ・フェリーに乗ってリバティアイランドへ行き、自由の女神を間近に見てきました。

映画『タイタニック』で、救助を待つ間にレオナルド・ディカプリオ扮するジャック・ドーソンが力尽き、ケイト・ウィンスレット扮するローズはその身体を深い海へと沈めました。
そしてローズは救助され、アメリカにたどり着きました。その象徴として描かれていたのが自由の女神でした。
自由の女神を見上げていたローズは、名前を聞かれると本当の自分の名前を捨てて「ローズ・ドーソン」と名乗り、その後の人生をローズ・ドーソンとして生きました。
私はその場面を単なるワンシーンとして観ていましたが、この地に行ってみて初めて単なるワンシーンではなかったことを知りました。
自由の女神が右手に抱えているトーチは、移民たちの自由と希望を現すシンボル。
7つの突起のついた冠は、7つの大陸と7つの海を表し、世界中に自由が広がるようにとの目買いが込められているとのこと。
左手に持つのは、アメリカ独立宣言の銘板。
そして引きちぎられた鎖と足かせを踏みつけている両足は、全ての弾圧や抑制からの解放と、人類は皆平等であることを象徴しているそうです。
上流階級に生まれ育ち、堅苦しいドレスを着せられ、婚約者も親に決められ、自由のない暮らしを強いられていたローズ。その不満を口にすることができず、言われるがままの人生を送ってきたローズがジャックと出会い、タイタニック号の事故を経て初めて抑圧から解放され、自由を手にした・・・。その象徴として自由の女神を見上げていたんだな・・・と、約30年前に繰り返し観た映画の意味を改めて深く理解した気がします。
そしてローズが自由の女神を見上げた場所は、すぐ隣のエリス島からだったと思いました。
何故ならこの島は1954年までアメリカ合衆国の移民局が置かれていて、大西洋を渡ってアメリカにやってきた人は必ずこの島で審査を受け、それから入国していたそうです。
今は博物館になり、自由の女神の歴史やアメリカへの移民の歴史などが展示されていました。
実物大の自由の女神。
この女神はアメリカの独立100周年を記念して、独立を支援したフランス人の募金によって寄贈されたものとのことです。最初は頭だけ、トーチだけ、腕だけというように、何年もかけて少しずつ創られていき、1886年に完成したそうです。
移民についての展示には日本からの移民の写真もありました。
移民した人々の労苦を感じ、学びの多い博物館でした。