埼玉県は人口10万人あたりの映画館設置数、全国最下位

2021年10月08日

もう一本観た映画は、『空白』です。
主演の古田新太さんが大好きで、助演の松坂桃李さんも大好きで、どうしても観たいと思っていた映画です。
更に、切羽詰まった印象のポスターは何が何でも「観たい」と思わせるものでした。

観に行ってみて、本当によくこんなすごい映画を創ったものだと感動でした。
荒々しく粗暴な古田新太さん演じる父親と、そんな父親が怖くて何も言えない少女。
少女が万引きしようとしているのを見つけた、松坂桃李さん演じるスーパーの店長さんが少女を追跡し、その追跡から逃げようとした少女は車にはねられ、更に今度はトラックに轢かれて無残な死を遂げます。
娘の死を受け入れられず、ましてや万引きなど到底受け入れられない父親は、荒々しく粗暴な態度でマスコミにも接し、スーパーの店長や少女をはねた運転手を追い詰めていきます。

誰ひとりとして、決定的に悪い人はいません。
でも誰もが少しずつは悪くて、みんながその少しの「悪さ」に苦しみ、追い詰められていきます。
最後には時間の経過とともに、何か光が見えるような気もしますが、とても苦しい・・・。
そんな映画でした。
よく、こんな苦しい映画を創ったものだと脱帽のような、そんな映画です。

実は今、岐阜におります。
母が近隣の施設に入所できることになり、今回は母を迎えに来ました。
母を埼玉に連れて行ったら岐阜に来る機会もかなり減るだろうと思い、高校時代に仲良くしていた友人に連絡を取り、会いました。
色々とおしゃべりをして映画の話になった時、友人は岐阜には映画館がとても少なく、最低でも1時間以上車を走らせなければ映画館には行けず、映画を観るチャンスはとても少ないと話していました。
確かに私が岐阜にいたころには映画とは私にとっては名古屋で観るもので、1時間に1本あるかないかのバスで30分、やはり1時間に1本程度の電車で約1時間半近くかけなければ名古屋に行けず、映画は本当に遠い存在でした。

私が住む吉川市、その前に住んでいた三郷市も、引っ越した当初とても不満に思っていたのは映画館の少なさでした。一番近い映画館が、春日部でした。
その後次々と映画館が設置され、三郷市にもお隣の越谷市にも、更には江戸川を渡った流山市にも映画館ができ、更に柏市まで足を延ばせば、レアな映画も観ることができます。
最近の私の周辺の映画環境はとても充実していて、少しの空き時間を見つけて観に行くことができます。

住む所によって映画館の身近さはずいぶん違うものだと思い、ふと思い立って人口10万人あたりの映画館の設置数を調べて驚きました。

なんと、人口10万人あたりの映画館設置数のワーストⅠは埼玉県だったのです💦
埼玉県には37の映画館がありますが、人口10万人あたりでみるとわずか0.51です。
神奈川県も58もの映画館がありますが、人口10万人あたりでみると0.64で全国44位。
岐阜県は18施設しかありませんが、人口10万人あたりでみると0.87で全国35位。

因みに全国1位の福岡県は、人口10万人あたりの映画館は3.63施設。すごい格差だと感じます。
映画館の数や人口あたりの設置数と、映画の身近さとは別の話なんだなぁと思いつつ。 
映画をより身近に感じるには、公共交通が充実してい映画館にアクセスしやすいということも大事だなぁと思いました。