市立第二保育所で不適切事案
市は先月27日、市立第二保育所において市職員による不適切な保育事案が判明したことを発表しました。
発表によると今年6月、不適切事案を指摘する通報があり、第二保育所に勤務するすべての職員にヒアリングなどの事実確認を行ったとのことです。その結果、職員による不適切な保育事案があったとの事実が確認され、市の発表へと至りました。
具体的な内容としては
(1) 平成 30 年度に 1 名の児童に対して、1 回こめかみを拳でグリグリした。
(2) 令和 3 年度に 1 名の児童に対して、1 回こめかみを拳でグリグリした。
(3) 令和 3 年頃に児童の突発的な行動を制止するため、複数の児童に対して頭を叩く、奥襟を掴んで制止することが複数回あった。
市担当課長と当該保育所所長は7月25日、対象児童の家庭に説明・お詫びをしたとのことです。また当該保育士は他部署に異動しました。
市は7月28・29日に第二保育所の保護者向けに説明会を開催しました。
また再発防止策として外部有識者を含めた保育向上検討チームの立ち上げ・職員研修・チームワークの向上・ガイドラインの作成などを挙げています。
個人的な感想ですが、この発表は少し気になる点があります。
平成30年は西暦に直すと2018年で、今から5年前です。
なぜ5年も前のことが今頃発覚するのかという点が気になります。
お互いの仕事の良い面悪い面を指摘し合いながら、共に学び合いながら働くというようなコミュニケーションの良さ、風通しの良さが感じられません。
そうした点から考えても、不適切な事案が本当に5年前の1回と今年の複数回だけだったのか、その間は何事もなかったのか・・・という点に疑問を抱いてしまいます。
保育士という仕事の責任の重さも、改めて感じています。
我が子を安心して預けられる場所だからこそ、親は安心して子どもを預けて働くことができます。
その保育所が子どもたちにとって何か「痛い」思いをさせられる場だったり、不安を感じる場所だったり、怖いと感じるような場所だったら、そこは子どもにとって安心感を抱ける場所では絶対にありません。
そんなところに毎日通うこと自体が、子どもに苦痛を与えることになってしまいます。
でも同時に思うのは、この事案を単に一人の保育士の行き過ぎた事案だと捉えて良いのかということです。
子ども家庭庁がこの春実施した調査によると、去年4月から12月にかけて全国の市区町村が把握した保育所で行われた子どもの人格を尊重しない「不適切な保育」は914件、認定こども園、認可外保育施設などを含めた保育施設全体では「不適切な保育」は1316件でした。
背景には発達に課題のある子どもの増加など、保育士の負担が増大する中で70年以上保育士の配置基準が変わっていない現状や保育士の処遇の問題なども大きいと考えられています。
市はこうした課題の改善に向けても努力するべきではないでしょうか。
単に一人の保育士の問題としてのみとらえるべきではないと私は思っています。