映画『福田村事件』
今年話題の映画、『福田村事件』を観てきました。
埼玉県吉川市がどこにあるのか、知らない人はとても多いと思います。
なんと吉川市は映画『福田村事件』の舞台、野田市とは江戸川を挟んでお隣のまちなのです。玉葉橋を渡って、買い物やスーパー銭湯やチャッピー君のホテルやなんやかやと、私にとっては生活圏のまちです。
そのまちでかつてこんなに恐ろしい事件があったとは、全く知りませんでした。
関東大震災の混乱の中で流言飛語が飛び交う中で起きた朝鮮人虐殺。
でも福田村で起きたのは、パニックに陥った村人たちが日本人の行商人の一行を朝鮮人だと思いこんで殺してしまうという驚きの虐殺事件でした。
何という恐ろしく、恥ずかしく、悲しい歴史でしょう。
行商人たちの「エタと朝鮮人、どっちが上なのか?」との言葉。
瑛太扮する「親方」の「じゃぁ、朝鮮人なら殺してもええんかい!!」との言葉。
田中麗奈扮する女性の「見ているだけなの!?」との言葉が、胸に突き刺さりました。
だけどもし私がその時代に生きていて、その場に居合わせたとしたら、私に一体何ができたでしょうか?
多分、無力だったに違いありません。
私たちはこの歴史から何を学べば良いのかと、深く考えさせられました。
朝鮮人が震災のどさくさに紛れて日本人を襲ったり、放火をしたり、井戸に毒を入れたりしていると実しやかに、しかも瞬く間に広がった流言飛語。
なぜそんなものが広がったかと言えば、朝鮮人に対しひどい扱いをしているという日本人の自覚だったと思います。
今、マスコミが繰り返し報道している「中国・北朝鮮は何をするかわからない」という報道。それからヘイト・スピーチ。
少なくとも日常的にこうしたものと決別しておかないと、いざという時に惑わされてしまう気がします。
だけど義憤にかられた暴徒たちが思いもかけない行動に出たとき、どうしたら良いのか・・・。
それを今みんなでちゃんと考えなさいと、この映画は言っているのかもしれません。