歌舞音楽集団荒野座月例公演会

2022年10月09日

今日は午後お休みをいただき、歌舞音楽集団 荒野座の月例公演を観に行って来ました。
公演を知ったきっかけは、慰安婦問題を韓国の立場から描いた映画「雪国」を先月観に行った時、同席した若い女性と話をしたことでした。
こんな若い方も「慰安婦」問題に関心があるんだなあと少し驚いて話しをしたところ、舞台をやっていて勉強のために観に来たと話していました。
10月は関東大震災の際の朝鮮人虐殺の舞台を予定しているとのお話で、その時私は『九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響』(加藤直樹著 ころから)という本を読んでいたこともあり、その舞台をぜひ観てみたいと思いました。そして、その場で速攻チケットを購入してしまったのでした💦

『関東大震災ー命ある限りー』 は、朝鮮人の立場から虐殺を描いた舞台でした。
プロローグ、細かい部分は忘れてしまいましたが、一匹の犬が吠えるとたちまち周りの犬たちが一斉に吠え始める。
実は最初の1匹が見たのは木の葉が揺れただけだったのかもしれないが、それを見た1匹が恐怖に駆られ、声高に吠える・・・。
するとその「恐怖心」だけが仲間たちに広がり、木の葉の揺れがとてつもなく大きな何か大変な事件であるかのように思い込まれ、それが真実としてとめどなく広がっていく・・・。
関東大震災の挑戦人大虐殺はまさしくそういう類のもので、大震災という経験したことの無い体験の中で、朝鮮人が暴徒化する、井戸に毒を撒いている、そんな根も葉もないうわさがまるで真実であるかのように広がっていき、朝鮮人のみなさんが大量に殺されるという大事件に発展していったのでした。
無理やり日本に連れて来られて、根も葉もない噂の中で殺されて行く人々の無念さが鋭く描かれていました。

第二部は歌舞でした。
昔、加藤登紀子さんが歌った「鳳仙花」、バイオリン演奏がとても美しく響きました。
この曲を作ったのは朝鮮の方で、1920年に作られた日本への抵抗の曲だと初めて知りました。
「ソウルから平壌へ」という曲は酔っ払ったオジサンがソウルでタクシーを拾い、行き先を問われて「平壌まで!」と答えるという南北の統一への思いを込めた歌だそうです。
もう3年前の話になってしまいましたが、東アジアの平和を考える会で韓国に行き、韓国と北朝鮮の軍事境界線で「一番行きたい外国は北朝鮮」との韓国の方の言葉がグッと胸に来たことを思い出しました。
そんな曲の最後にイムジン川が合唱され、改めて朝鮮半島の人々の統一への願いが胸に迫る思いでした。
最後に「なぜ私達の祖先が日本に連れて来られたのか、なぜ私達がここで暮らしているのか、これからも正しい歴史を学び続けましょう」と呼びかけられていました。
私たち日本人もともに学び続けなくてはいけない課題だと強く思いました 。