重い障がいでも、一人暮らしも可能な街がいい

2020年09月15日

9月議会の主な議題は、昨年度の決算です。
文教福祉常任
委員会・総務水道常任委員会・建設生活常任委員会、3つの委員会の審議が昨日で終わりました。
明後日、各委員会の委員長からの報告があり、その後採決へと入ります。

私が所属する文教福祉常任委員会。
昨年度、最も大きな注目を浴びたことの一つは、ALS患者さんに対する障害福祉課の職員の心無い発言でした。
24時間365日の重度訪問介護への要望を巡り起きたトラブルでした。

昨年の9月議会で私はこの問題を取り上げ、都内では人工呼吸器を装着した重度の身体障がい者の方でも一人暮らしが可能で、川を一本隔てた埼玉県ではそれが全く叶わないという趣旨の発言をしました。
子ども福祉部長からは、重度訪問介護について国の基準を上回る部分については市に裁量権が委ねられていて、でもその部分をどう考えるかについて、市には明確な基準がなかった、今年に入って作ったとの答弁をされました。
また、重度身体障がい者の方のケアプランを作成している方々からは、こうした状況に対して市がとても丁寧な計算式を作り、考え方を整理したというお話も伺っていました。

委員会では、市が考えたという計算式はどんなものなのか、一口に重度障がいと言ってもニーズは一人一人全然違う。その個別具体的な要望にどのように答えてくのかを問いました。

市の答弁では、「公費として365日24時間を提供できるのはどんな状態の方なのかを設定。家族はいるのか、どんな状況なのかを加味しながらルール化を考えた。個別な要求については、ケアマネと担当職員の間で十分連携して、どんなサービスが必要なのかどんなことに困っているのか、情報交換しながら対応している」というものでした。

それは吉川市でも状況によっては、24時間365日の支援が可能ということなのかと再度確認すると、その通りだとの答えが返ってきました。
本当はココで更にツッコんで、「24時間365日支援が必要な人をどんな人だと設定したのか」を確認しておくべきでした。
それでも、24時間365日の支援もあり得ると市が考えたことはとても嬉しいことだと思います。
人工呼吸器を装着する状態でも一人暮らしをしたいという要望は、当然あり得ることだと思うのです。
自分で身体を動かすことは全くできない、呼吸も人工呼吸器に頼らざるを得ない、そういう状態では人工呼吸器のアラームが鳴ったり、痰が絡んだり、床ずれができないように定期的に身体を動かしたり、食事や水分の提供にも支援が必要です。
家族に迷惑をかけたくない、自分のために配偶者や子どもたちに人生を縛られてほしくない、家族にも当たり前に自由に生きてほしい・・・。そう願う障がい者の方も、当然いらっしゃいます。
身体が思うように動かせなくても、思考力が障害されていなければ、そう思うのは当然だと思うのです。

そして都内などでは、そういう方が24時間365日の支援を受けながら、家族と離れてアパートで独り暮らしをすることも可能になっています。
人工呼吸器を装着しながら、子どもの学校の授業参観に参加する・・・。そんなこともできています。
こういうことが、どこに住んでいようが当たり前に希望することができ、実現できる社会が良いなぁと思うのです。
だって、いつ誰が突然重い障がいを負うかなんて、誰にも分らないことです。
誰だってその立場に立てば、きっと同じようなことを願うはずだと思うのです。
決して他人事ではないと思うのです。
吉川市でも24時間365日の支援が必要なケースがあるんだとの認識が持たれたこと、公明公平なルールが示されたということは、とても良いことだと思っています。
重い障がいを持つ方が、ご自宅でその人らしく暮らせる吉川市をぜひ目指していただきたいと思います。