スペシャルサポートルーム(SSR)視察

2024年09月16日

一昨年の12月議会一般質問で、私は「校内フリースクール」の設置を求めました。
不登校の理由はその子その子によって違いますし、学校への思いや行けない状況にも違いがあります。不登校だけれど、学校の門はくぐることができる、でも教室には入れない・・・。
そんなお子さんもたくさんいらっしゃるそうです。
そんな児童のためにさいたま市の道祖土小学校では校内フリースクールを設置しているそうで、吉川市にも設置を求めたのでした。
同じ議会で未来会議の林議員も同じような要望をし、またその後の議会で他の議員も要望していました。
そうした議会からの要望や、市の教育視線センター「宇宙」に通うお子さんがかなり増えてきたこと、時代的な要望もあるのだと思いますが、今年4月に南中学校に「スペシャルサポートルーム(SSR)」が開設されました。
1学期で数名集まれば良いなぁと思っていたら、1学期までに既に16名の生徒の登録があり、とても順調にスタートしているとのお話を聞いていました。
一度お邪魔したいなぁとずっと思っていたのですが、今回子ども教育常任委員会で視察に行くことができました。

元々パソコンルームだった部屋を使っているとのことで、床にはカーペットが敷かれていて、何となく教室とは違う暖かな雰囲気があります。
部屋も広いし、教室の机ではなく少し大きめな2~3人掛けのテーブルが置かれていて、ゆったりとした雰囲気です。パーテーションが置いてあって、その向こうは小さなソファが置かれていて、ひとりになりたいときや気持ちが落ち着かない時にちょっと一人で過ごせるようなスペースが確保されています。

登録しているお子さんたちは教育支援センター「宇宙」に行っても良いし、SSRに行っても良いし、出られる授業があるなら授業に出ても良いし、どこにいるかさえハッキリしていれば良い。もちろん自宅にいる時間もあるし、遅刻してくる子もいれば早退する子もいる。出られるなら部活に出ても良い。
学校に行かない、または行けない子どもたちに自由な選択権が与えられています。

ほんの数年前、不登校だけど部活には参加したいというお子さんがいらっしゃいました。
そのお子さんは「前例がない」と言われ、部活に参加するならせめて教育支援センター「宇宙」に通級するように求められました。教育支援センターに行けるようになると、今度は帰りの会に参加することが求められました。
「宇宙」が終わる時間と帰りの会が始まる時間まで少しギャップがあるので、その間一旦自宅に帰りたいと希望した時、その願いは認められませんでした。
せっかく部活に参加したいといってくれて、もしかしたらそれが学校に復帰する大切なチャンスになるかもしれなかったのに、学校の対応は様々な条件でがんじがらめで、まるで学校復帰を拒むかのようにさえ見えました。

私がその話をすると先生方はみなさん深くうなずきながら聞いてくださり、あの時には多分先生方にも大きな葛藤が会ったことが伺われました。
そしてそういう悔しい体験も経て、今ではそんな条件付けは一切ない、子どもの自主性を尊重する雰囲気ができてきたようです。
わずか数年での大きな変化には、隔世の感があります。
勇気を振り絞って声を上げた不登校の当事者、そしてそのご家族が投げた小石の波紋の大きさに改めて感動しています。
SSRを視察することができて、本当に良かったです。

SSRの書架に中高生新聞を発見してびっくりしました。
私はこの間、学校図書としての新聞の購入を求めてきましたが、その新聞がSSRに置かれていることに感動しました。
更にこの教室には不登校新聞が必要だと思います。要望していきたいと思います。