タブレット教育への警鐘
3月議会はとても辛い議会でした。
最後まで何となくギスギスしていて、気持ちの悪い議会でした。
暫くの間疲れ果てていて、何をする気力もわきませんでした。
が、市内市外の様々な人から「吉川市議会って、なんだか凄いね」「特殊だよね」と声をかけられました。
多くの人が市議会の動画を観て「何かおかしい」と感じていることがわかり、自分の感覚がおかしくはないということが分かり、ホッとしています。
代表質問の中で私が問うたことのひとつはタブレット教育でした。
施政方針には「ICTなどを有効活用し、『個別最適な学び』と『協働的な学び』の一体的な充実により、子どもたちの生きる力を育んでいく 」と記されています。
海外のタブレット教育の状況
オランダでは2024年1月から学校でのタブレットや携帯を禁止すると発表されました。
教育相は「このようなデバイスは生活に不可欠だが、生徒の気を散らすものである」と発表しました。ユネスコに設置された独立チームにより発行されている『グローバル エデュケーション モニタリング レポート』 、2023年版レポートは「教育におけるテクノロジー」をテーマにして、各国政府の「適切な管理と規制の欠如に対して警鐘を鳴らしました。
・デジタルテクノロジーは変化したが、教育を改革したわけではない
・教育におけるテクノロジーの付加価値についての確たる証拠はほとんどない
・国際学力調査PISAによって提供されるような国際評価データでは、「過度なICT使用と生徒の成績の間に負の関連がある」
・教育テクノロジーは、不適切または問題ある場合には有害な影響を及ぼし得る
としています。2006年から一人一台の端末政策を進めてきたスウェーデンで紙の復活が叫ばれるようになり、昨年7月から全ての生徒への紙の教科書の再配布を法律で義務付けました。
フィンランドでは、約10年前から教科書はほとんどデジタル化されていましたが、昨年度から語学など一部の教科で紙の教科書の復活が始まりました。
一昨年まで中学校一年生は毎週22時間ノートパソコンを使った授業があったが、生徒たちの集中力の低下やメンタル不調など、様々な懸念が寄せられるようになりました。
2000年代まで国際学力調査のトップの常連でしたが、ここ数年はじりじりと後退しています。「読解力」では22年、前年の7位から14位まで後退しました。ドイツでは、科学者たちが保育園や小中学校におけるデジタル教育を「停止」するべきだと声を上げ始めています。オッフェンブルク大学のラルフ・ランカウ教授は「子どもたちにとってペンと紙の方が有益であることは、あらゆる調査をみても明らかです」と述べています。

代表質問で問うたこと
私はこのような海外の状況を知っていたので、代表質問の通告書には
「海外ではモバイルデバイスの「学校での使用禁止」が広がっています。その理由として「授業への集中、対面での交わり、健康、心理的、社会的に悪影響、依存性、中毒性」を挙げています。スウェーデン国民会議、教育法改正案の説明では、「人間関係力・注意力・集中力・読み書き計算能力などの基本的スキルは、アナログ活動を通じて最も良く習得できる」と記しています。こうした海外の状況を踏まえ、「ICTなどの有効活用」をどのように考えるのか、お聞かせください」と書きました。
市長の答弁は・・・
「こうした海外の状況を踏まえという前提が雑過ぎる。なぜスウェーデンだけが取り上げられているんですか。他の国がどうなっているかということを並べた中で世界の潮流がこうだっていうような話であれば私たちも十分耳を傾けるんですが、自分たちの話に都合の良い国だけをとっているんであれば、前提がもう全然おかしくなる」。
「私たちはタブレットを導入する前にしっかりと教育の方向性を決めようと教育長とも話をして、教育大綱を作りました。その教育大綱はしっかりと志を持って自分の能力を自分のためだけじゃなく、社会や未来のために使えるような子どもたちを育もうと、そのためには体力・学力・非認知能力の3つが必要。このすべてをアップできるようなタブレットの遣い方をしていこうという大きな方針を決めました」。
「そうした中で現場の先生方が苦労されながら、現在様々にタブレットを活用されています。
使うな使うなという方向ではなく、使うことによっておこる弊害や悪を子どもたちにしっかり認識させながら、世界の流れや時代の流れに遅れて行かないような子どもたちを今後も育み、バランスよく成長に繋げていきたいと思います」。
この答弁も公衆の面前で私を𠮟りつけるような答弁でした。
恐らく市長は海外の潮流を知らないのではないかと思います。
そして、私の通告書を見てもバカにしただけで、調べてみようとも思わなかったのではないでしょうか。
そうでなければ、このような答弁にはなり得ないと思うのです。
弊害や悪を認識すべきは誰なんだろう
私はICTの全てを否定するつもりはありません。
私自身アナログ人間だとは思っていますが、パソコンもタブレットも大好きです。
でも、子どもの使用にはやはり慎重にならなくてはいけないと思います。
タブレット教育が始まり子どもの視力が更に低下している、低学年ほど深刻だということも指摘されています。
「使うことによって起こる弊害や悪を子どもたちに認識させながら」との答弁でしたが、それを本当に認識すべきは誰なんだろうと思います。
それはこどもたちに自覚させることではなく、使わせる大人たちが弊害や悪をよく理解して、どう使わせるべきかをしっかりと考えなくてはいけないのだと思います。
前にも書きましたが、代表質問では市長はずっと喧嘩腰で威圧的で、私はまるで全校生徒の目の前で校長先生に感情のままに𠮟りつけられている小学生のような気分でした。
とても恥ずかしく、辛く、苦しく、用意していた再質問も全部吹っ飛んでしまいました。
この質問への再質問も用意していましたが、できませんでした。
今後一般質問やこども教育常任委員会での質問を通して取り組んでいこうと思います。
シンガポールでは
シンガポールはフィンランドとは逆に、国際学力調査で読解力・科学・数学の3部門で世界トップを独占したそうです。
国立教育研究所の上級教育研究科学者のウォン・フェイ・ミン氏は、「小学校ではタブレットに触れる時間を教員が管理している。授業中、必要な時だけタブレットを配布して、終わったら回収します。これは小学生と中学生では自制心が違うためです。ログも管理されており、勉強以外には使わないように制限されています」と話しています。
他の先進国に学ぶべきだと思います。