敢えて言わなかった重大な一言
3月議会の一般質問で、一番感動したのは岩田京子議員が二元代表制についての市長の考えを質問したことでした。
これまでも何度か書きましたが岩田京子議員とは家がとても近くて、議員になる前からの知り合いで、議員としても同期です。そして何故か感じ方や考え方がどこかにているようで、これまでも打ち合わせもしていないのに議会で同じような質問通告書を提出していたことが何度もありました。
彼女の一生懸命な質問・発言はどこか共感できるものがあります。
岩田議員の優れたところは、思っていることをちゃんと口にするところです。
多分、言いたいことをちゃんと言えば受け止めてもらえる、とても温かい家庭に育った人なのではないかといつも思って見ています。
その岩田京子議員が3月議会では市長の二元代表制に対する考え方を問い、その姿勢を正面から批判しました。
今日改めて動画を見直してみましたが、とても良い質問でした。
その中で、とても気になることがありました。
二元代表制についての市長の考えを聞かれたのに、市長は12月議会で「中原市長に猛省を求める決議』を挙げられるに至った「危険な3人」発言についての説明や決議に対する自分の考えなどを長々と話しました。
中原市長はご自身が「記録した」という文書を読み上げました。
「一般質問するなとか、外ででたらめ話すなっていうようなことを僕が規制をしたりチェックはできないけど。そこは同じまちづくりをしていく仲間として、しっかりとした情報発信と行動をして欲しいと思っています。
大丈夫ですか?加藤さんも、雪田さんも、岩田さんも。
何でって、僕はそこが一番危険な3人だと思っているから言っているんです」。
この後もまだ答弁?説明は長々と続きますが、この発言、市長は最も言うべきだった一言を言っていません。
それはこの発言の前に、
「議会のことも企業は見ています。
地権者に対する裁判に反対するような議員がいて、その議員が選挙の時にそういう人達とタッグを組んでやっているのを全部わかっているので、もし自分たちが正式に手を挙げた時にはそういった人達に妨害される恐れがあるかって、そこまで企業は見ていますよ。
分かります?議員さん達」と、
こう言ったのです。
この一言がなかったら恐らく「中原市長に猛省を求める決議」は出されなかっただろうし、賛成多数で可決することもなかったと思います。
非常に問題のある発言だったと思います。
確かに2020年3月議会で、地権者に対する裁判の議案が提出されました。私と自民党と当時の市民の会・無所属の議員など計6名が質問し、なぜ裁判を起こさなくてはならないのか、話し合いで解決すべきではないかといった趣旨の発言をしました。そして納得のいく答弁がなかったので、この3つの会派は反対したと思います。
市長の発言はこのことを指しているものと思われますが、なぜ今そんな話が出てくるのか。
「選挙の時にタッグを組んで」って、「そういった人たちに妨害される恐れがある」って、あまりにも意味不明だけど悪意のある言葉です。
市民には様々な意見があります。
市長と違う意見を持つことは「妨害」ではありません。
共産党は労働者の党なので、企業とタッグを組むことはありません。
そしてこの言葉は、もし企業が手を挙げて来なければ、それは議員のせいだと言っているようにさえ聞こえます。
そして、「だから余計なことを言うな」と脅しているようにも聞こえます。
長々と説明するのなら、何よりもこの言葉についてきちんと説明するべきだと思います。
それを敢えてしなかった・・・。
こんな言葉を口にしたことは、議事録に残したくなかったのでしょう。
他人には「情報発信を正確に」と言い、「自分に都合の良い所だけ切り取って話している」と言いますが、市長はその言葉をまずは自分自身に向けるべきだと思います。
肝心な話をせずに言い逃れをする姿勢、非常に残念です。