映画『35年目のラブレター』

2025年03月12日

 今日も映画を観てしまいました。

『35年目のラブレター』。
ど田舎で学校が遠く、家庭環境の問題もあって学校に行けず、読み書きができなかった保さん。
大人になっても読み書きができないことで、辛い思い、苦しい思い、恥ずかしい思いなども重ねながら生きてきましたが、65歳の時に夜間中学校への入学を決意しました。優しく、温かく支え続けてくれた妻にラブレターを書くために。
そして何年もの長い時間をかけて、その夢は実現しました。

このお話は実話に基づくもので、運転中に聞いているラジオの文化放送にモデルとなった方が出演し、インタビューを受けていました。
素晴らしい話だなぁと思い、これは観なくては・・・と観に行ってしまいました。

私の父親も読み書きができませんでした。
大正10年にやはりど田舎の貧しい家に生まれ、弟や妹の世話を任され、多分まだ子どもの頃に奉公に出されたのだと思います。私は父親とほとんど会話をしたことがなかったので、詳しいことは何も知りません。が、苦労したことは想像ができます。
父親は石工でしたが、一人親方で自営で働いていた時期もありました。発破をかけたり、火薬を取り扱ったりしなければならない仕事なので、その資格も取らなくてはなりませんでした。その資格もどうやって取ったのか・・・。多分、母が支えて二人三脚で取得したのでしょうが、簡単ではなかったことは容易に想像ができます。その頃の帳簿も、多分母が付けていたのでしょう。
仲の良い夫婦ではありませんでした。仲が良くもないのに、母に依存しなければ仕事が成り立たないというのも、多分父としては相当悔しかったのではないかと想像します。

そういえば、今回の大船渡の山火事のニュースを見ながら思い出したのですが、私が小学生の頃田舎で山火事が起きて、父に疑いの目が向けられたことがありました。
読み書きもできず、弁も立たない父をサポートしてくれたのは、誰かはわかりませんがご近所の弁の立つどなたかでした。父への疑いは晴れて事なきを得ましたが、多分あの時も父は相当戸惑っていたことでしょう。

もし、父が夜間中学の存在を知っていたらどうだったのか。もし、夜間中学がどんな田舎にもあったら、父はどうしていたか・・・。そんなことを思いながら観ました。

もう一つ思ったこと。保さんの奥さんは結婚してしばらくの間、保さんが読み書きができないとは知りませんでした。多分、そんな事実を想像すらしていなかったのでしょう。
でも知った時、「私があんたの手になる」と言って保さんに寄り添い、有言実行の人生を生きました。
もし私が同じ立場だったら、私は一体どうしただろうかと思いました。夫が読み書きができないという事実に戸惑い、とても一緒にはいられないと思ってしまうのではないかと思いました。
あ!
多分それは、父親が読み書きができないという事実をどこかで私自身のコンプレックスとして感じていたからだと思います。

読み書きができるかどうかということなど、その人の人格にはほとんど関係しない、どうでも良いことなのでしょうが。自分がそんな風に大人らしい判断を下せるのかどうか、正直なところあまり自信がありません。
保さんは素敵な方と巡り会えていたんだなぁと思いました。

現在の夜間中学校数は24都道府県に53校。前回調査から13校増え、今年4月には更に9校、新たに開校するそうです。約2000人が通っていて、外国籍の方が約1250人とのことです。